企業の休廃業 後継者問題を解決せねば 2015年06月12日 10時40分  中小企業を中心に事業承継問題が深刻化している。団塊世代の経営者の高齢化が進むのに、後継者不在の企業が増えているからだ。  企業は地域の経済や雇用を支えている。一定の新陳代謝は当然としても、休廃業や解散の増加は地域の停滞を招きかねない。円滑な事業承継への対応を急ぎたい。  帝国データバンク福岡支店によると、2014年度の九州・沖縄の企業倒産件数は前年度比0・6%減の696件。これに対し、休廃業・解散件数は0・7%増の2789件で倒産の約4倍に及ぶ。  企業の休廃業・解散は後継者難や業績悪化に起因する傾向が強いという。同支店の13年の調査では、60代の社長が経営する約6千社の約半分は後継者不在だった。  企業の休廃業や解散でも地域の大切な雇用が失われる。特に地域に根差した技術や商品を持つ企業の退場は何とか防ぎたい。  企業の後継者難は14年版中小企業白書でも明らかだ。全国の休廃業・解散は年間約2万9千件で、理由では「経営者の高齢化や健康問題」が約半分を占めた。多くの経営者が事業承継への不安を募らせている実態がうかがえる。  世代交代をどう進めるか。中小企業庁などは11年度以降、相談窓口となる「事業引継ぎ支援センター」を全国20カ所に設置した。政府は経営を親族以外の従業員などに引き継ぎやすくするため、中小企業経営承継円滑化法など関係法令の改正を目指している。  近年は外部の第三者が経営を引き継ぐ合併・買収(M&A)が注目されている。九州でも民間の仲介会社の活動や地方銀行による仲介支援が活発化してきた。  事業主が愛着のある会社を第三者に託すのにはためらいもあろう。だが、事業や雇用を守るための選択肢として検討する価値はあるのではないか。  事業承継には後継者に加え、相続や設備投資など多額の資金を要する。経営 者は早めの準備を心掛けたい。同時に日頃から外部の第三者の評価を意識し、自社の企業価値を高める努力が重要である。 =2015/06/12付 西日本新聞朝刊=

情報源: 企業の休廃業 後継者問題を解決せねば – 西日本新聞